28日,有期雇用職員(契約職員,短時間雇用職員:公務員時代の定員外職員に相当)の待遇改善を求める団交で,大学が有期雇用職員にも有給の夏季休暇を「試行」することを認めた.私の所属研究室の職員や,近くの職場の人たちに話したら皆一瞬で顔が明るく変わった.学長や労務担当理事に見せたかった.「なんだ組合か」と言われるようなこともあったが,署名を集めた甲斐はあったということだろうか.
以下,今日発行された組合のメールニュースから,
たまたま見ていた報道ステーションで,道路公団のラスパイレス指数が一般公務員より極端に高い(121.2)ことが指摘されていた.有期雇用職員の有給の夏季休暇を試行することでも,こうした批判が起こるだろうか.大学にとっては,職員の喜ぶ顔より「社会の理解を得られるか」が一番の問題だ. ▲
by nobu_san
| 2005-06-29 22:51
| 大学問題
赤旗が5月9日に「日本が最下位」を報じていた米国の教育政策研究所(EPI)の「若者が教育を受ける制度や機会」についての調査レポートだが,朝日も6月20日に「日本政府にとっては意外な結果かもしれない。だが、大方の国民は『最下位』と聞いても驚かないのではないか。」と報じたということで気になった.どういう感じで「最下位」なのか,僅差でなのか,ダントツなのか.
調査レポートをみてみると,結構「差」があるようだ.総合評価のためにはコストに対してグラント(日本はゼロ)等によるサポート状況も考慮されていて,各項目毎のウエイトとか,素人の私にはよく分からない(専門の人コメント下さい)のだが,「親」としては"Out-of-Pocket Costs"が実感なのかなあ.これによれば,日本はダントツで「金」がかかる. ![]() でも,国はまだ国立大学の授業料は「安すぎる」と考えていた...ということ. ▲
by nobu_san
| 2005-06-25 23:11
| 大学問題
昼休み.契約職員・短時間雇用職員(公務員時代の定員外職員)にも夏季休暇を認めることを求めて,中央食堂前で署名集めをやった.ビラの受け取り拒否や,署名要請の無視にはそれなりに慣れているつもりだが,今日一番頭に来たのは,「なんだ組合か」とつぶやいてにやにやしながら去って行った人が居たこと.凡夫の私は,組合の活動の成果が,そういう人にはどうぞ及びませんようにと祈ってしまう.
契約職員・短時間雇用職員と言えば,6月22日に「総長裁定」されて公表された「次世代育成支援対策法に基づく北海道大学一般事業主行動計画」には「職員」という用語しか出てこない.5月1日現在の正職員は4044人で,契約職員・短時間雇用職員・嘱託職員は888人だそうだが,契約職員・短時間雇用職員など存在しないかのごとく.(その他に謝金雇いの職員も居るはずだが,どのくらい居るのだろう?). 例えば,
として色々「職員」が利用できる支援制度が書かれているが,その多くは契約職員・短時間雇用職員には有給の特別休暇としては認められていない.契約職員・短時間雇用職員には「利用出来ない制度」の周知も必要ではないか.契約職員・短時間雇用職員といった弱者に意識が及ばないで計画を策定しているなら愚かしく哀しい.認識していながら無視してただ体裁の良い計画を策定公表しているなら相当悪質と思う. しかし,昼休みには教員は食堂に行かないのねえ.大学に文句を付けられないよう,一応昼休みの時間帯に署名をやったのだが,学生ばかりで教員は少なかった.終わって居室に帰る道々,多くの知り合い教員とすれ違った... 後日補足:「行動計画」本体でなく「行動計画についての解説」には「正規職員〜有休,非正規職員〜無休」といった注意書きが出てきます.「無視」は私の書き過ぎかも知れません.でも,私の周辺の「非正規職員」からは「無休」の特別休暇の設定には意味が無いという声が伝えられて来ます. ▲
by nobu_san
| 2005-06-24 22:51
| 大学問題
昨日,学校教育法改正に関係する「教員の職の在り方」に関する検討状況が研究科長からメール配信された.「人事関係事項検討ワーキンググループ」のまとめた「本学における大学教員の職に係る方策について(案)」で,作成日付は3月2日になっている.1月にだされた中教審案を受けて,国会での学校教育法の「改正」に随分先行して作成されたようだ.
「案」には,『大学の中期計画に「助手等の職務実態が多様であることに鑑み、現状を調査・分析の上、職務内容に応じた処遇等その在り方について見直し方策を検討し、平成16年度中を目途に結論を得る。」とし、平成16年度年度計画においては、「助手等の職務実態が多様であることに鑑み、現状を調査・分析の上、職務内容に応じた処遇等その在り方について見直し方策を検討し、成案を得る。」としている』ことを示した上で,「助教」の『処遇は、現行の教育職基本給表2級とする。』としている.新「助教」は,『大学、学部等において定められた特定の事項(授業科目の担当や研究指導等)の責務を担う。』とされ,特に現行助手を「助教」に移行する者には『教育に対する貢献が期待されることもあり、全学的視点に立って全学教育や部局の講義等を担当することが望ましい。』としている.「ワーキンググループ」は,大学の計画に沿って助手の「職務内容に応じた処遇」を検討した結果,単純に言えば,これまでと同じ給料で講義負担を課す,そういう「処遇」を提案していることになる. また,現職助手を「助教」に移行した者には任期を付さないが,新採用者には「任期5年,再任2年」の任期を付すとしている.さらに,(案)の最後にある「図2 教員組織図」では,「将来的」には,教授,準教授,助教,講師の全てに「任期制の導入へ」と描かれている.教員任期制法当時の反対議論はどこへ行ってしまったのだろうか.何度も同じことばかり書くが,文科省は,とにかく何らかの形で教員に任期を付すことが可能な法を作れば良かったんだな.後は,情勢に敏感な大学人の中で勝手に「法」が育つ. ▲
by nobu_san
| 2005-06-22 22:41
| 大学問題
札幌市教職員組合が「文科省通知」に反して,中学校用教科書の見本本を入手し展示していたと報じられている(道新).
教員や教員組織が教科書候補を分析・批判し,どれを使うべきかを議論するようなことは本当に問題なのだろうか.現場の教員が本当に分析した上で良否を判断するなら,それを受け入れても良いように思う.道新の報道では,文科省通知の理由は「過当競争を避ける意味合いから」としている. 文科省通知では「教科書センターでの展示用に2冊、市町村教委に原則5冊可能と規定。政令指定都市である札幌市教委には10冊まで送付可能」としている.札幌市内には教科書センターは無い.全国では千か所程度の教科書展示会があるらしい.それ以外に見本本を配布出来るかどうかの出版社の体力の差も問題なのかも知れない.過去の文科省教科書用図書検定調査審議会総会でも見本本のコストを国が持てないのかという議論があるが,小学校・中学校それぞれに億単位のお金が必要ということで無理だといっている. 試しに Google で検索すると,この問題では,既に札教組を批判する blog 等が結構ある.擁護するblogは無さそう.だいたいの批判は「教員のくせに決まりを守れない」とか「教員のイデオロギーを押し付けるな」とかかな.しかし,一方は,現職文科大臣まで動員して「運動」しているのに,たかが文科省通知破りくらいでは比較にもならないだろう.しかし,産経は札教組の展示に扶桑社の教科書は「排除」されていた,としているが札教組が要請したら扶桑社はくれたのかなあ... マイクロソフトが中国で「自由」,「人権」等の用語が使用できないように制限していると報じられていますね.とりあえず,今のところ何でも書けてよかったです... ▲
by nobu_san
| 2005-06-16 00:23
| 憲法・平和
6月10日に学校教育法の改正法案が附帯決議をつけて衆議院文部科学委員会を通過している.
「カメ」になってからサボッているためもあるが,首都圏ネットの指摘が無ければ,今回の学校教育法の「改正」の関連法案として大学教員等の任期に関する法律の「改正」がされることに気がつかなかった.全大教も私大教連も指摘していないので,私の「カメ」度だけの問題ではないかも知れないが... 改正法案附則8条には,大学の教員等の任期に関する法律の4条1項2号(任期を定めることが出来る条件)を次のように改める,とある. 二 助教の職に就けるとき。 もとの法律は, 二 助手の職で自ら研究目標を定めて研究を行うことをその職務の主たる内容とするものに就けるとき。 であった. 「助教」は,ほぼ現在の「助手」に相当するものだが,「助教」であれば無条件で任期を付すことが出来るようになってしまった.「改正」学校教育法では,57条8項で,「助教は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。」と規定されている.「自ら研究目標を定めて研究を行うことをその職務の主たる内容とするもの」ではない. ▲
by nobu_san
| 2005-06-13 23:29
| 大学問題
今日の北海道新聞の朝刊2面に,日本世論調査会の調査結果として,「憲法を改正する必要がある」,「どちらかといえば改正する必要がある」を合わせて64%に上ると報じている.
しかし,私にとっては昨日の今日である... 「調査は4,5日に面接方式で実施」とあるが,調査数,回答数は報じられていない.16年12月4,5日の同会の調査は「20歳以上の男女3,000人(1,765人回答:58.8%)の層化二段無作為抽出法,直接面接方式」だったから,今回も同様か. 道新は『「改憲必要」64%』を見出しにした.<解説>にも『憲法をめぐる世論調査で改正派が64%を占めたことは,改憲問題が国民意識においても「論憲をタブー視しない」段階から,具体的に何をどう改正するのか,しないのかを議論する段階に移行したことを裏付けた形だ』としている.しかし,そんなの調査の設問が,前回は「改正に向けて、積極的に議論すべきだ」,「議論した結果、改正することがあってもよい」..だったのを今回「改正する必要がある」,「どちらかと言えば改正する必要がある」..に変えちゃったからではないのか? 世論調査が「世論」をミスリードする. だいたい,そもそも,もしも今回も問1で「憲法問題に関心がありますか」を問うているのであれば,以下の設問は「関心がある」人の分布を分析し公表すべきではなかろうか.このアンケート,普段憲法のことなど真剣に考えたことも無いような人が「抽出」されて面接で質問されたらどう回答するのだろうか(世論とはそういうものか).「改正に向けて、積極的に議論すべきだ」「議論した結果,改正することがあってもよい」と答えた人に問うている「あなたがそう思う最も大きな理由」では,前回同様「憲法の制定が時代に合わなくなっているから」が60%と最多を占めているが「時代に合わない」とはなんとも曖昧な... ▲
by nobu_san
| 2005-06-12 16:29
| 憲法・平和
小森陽一さんの講演会に出かけて来た.もちろんテーマは「憲法9条」.立ち見が出るほどで,750人くらいの参加者だった.
憲法前文の読み方,憲法9条と国連憲章の関係といった憲法そのものの話から,米英の「集団的自衛権」の行使とイラク戦争,さらにはその背景にあるアメリカの世界戦略(カスピ海沿岸からインド洋),そしてアジアの現状と9条の生きた効果までうまく話された.今,改憲勢力がなぜ憲法を変えようとしなければならないのかが非常に良く分かった. 教育基本法改正論議で必ず話題になる「愛国心」もフランス革命期に兵士に国民を大量動員するために政府が作り出した歴史の浅い人工的な概念であることも指摘された. あらためて憲法,教育基本法を変える必要は無いことを確認した一日となった.
余談だが,小森さんが導入部分で,東大の教授になる時に書いた「宣誓書」の話をしていた.私も最初に国家公務員になった時に署名させられたが,こんなの.
要は,「日本国憲法を遵守」する義務を負っているのは国民ではなく公務員を含む「国」の方なのだ(憲法99条)ということだ.私は去年の国立大学法人化によって,有無を言わせず国家公務員から法人職員にされてしまった.もう私の宣誓書は不要だろうが,返してもらってない... 「ごまめ」から「かめ」にしたからでもないけど,更新が遅くなってしまった. ▲
by nobu_san
| 2005-06-11 22:58
| 憲法・平和
今週末は「酒」禁止で話題になった大学祭です.天気はちょっと良くないけど,まずまずの市民のお客さんがいらして下さっているように思います.
私は今年は学生委員なので,例年の委員同様に学科展示のために出勤しています.うちの学科の場合,この学科展示は学生の自主運営になっておらず,学科主催行事で,企画のとりまとめや展示部屋の確保,展示パネル借用等の教務係とやりとり,当日の実験室の管理が学生ではなく,学生委員(教員)の仕事になっています. 事務職員の残業代の不払いをさんざん問題にしているので笑われてしまいそうですが,実はこの週末の出勤分の振替休日を取得していない(できない)ので「休日割増賃金」の請求をしてみようかどうしようかちょっと迷っています(後で代休をとれる可能性も低いですが).大学祭のパンフレットを見ると,いろいろな企画で講演をされる先生方も結構いらっしゃいますが,みなさんどうされているのでしょう.全部「ボランティア」なのでしょうか.私自身は学生委員として発生した業務なので「ボランティア」とも言いがたいように思います.でも,結構子供達に話しかけたり,お母さん達に説明したりして楽しんでもいるので「ボランティア」として納得してしまうことも出来なくもなさそうな気もしますが.どうも自分自身の権利のことになるといきなり気が弱くなる情けない「いしがめ」です. 学長は北大際のパンフレットに「第47回北大祭に期待する」として「普段は接触することの少ない,市民,学生,教職員にとって,北大際が交流のフォーラムになることを期待しています.北大には...常勤だけでも4千百人の教職員がおります.市民,学生および教職員の交流が深められ,...」と書いています.教職員の休日出勤を当然なものとして想定されているのでしょうか.大学が市民に支えられていることは当然ですが,個々の教職員の負担(学祭の場合は休日出勤)とは,やはりきちんと切り分けるべきと思うのですが,どうでしょうか. 私立大学を含め,他大学ではどうなっているのでしょう. ▲
by nobu_san
| 2005-06-05 00:33
| 大学問題
Blogに移行する前の日記風雑記当時からのタイトル「ごまめのはぎしり」を「いしがめのじだんだ」に変えてみました.「ごまめのはぎしり」は手元に記録が残っているだけでも,2002年から使い続けて来たことになります.愛着が無かったわけでもないのですが.
大して意味に違いはないのかも知れませんが,「ごまめのはぎしり」には反骨のごまめの誇りのようなものがあるように感じられ,グチグチとつまらんことを書き連ねている私のblogには似合わないように思ったり.某議員のメールマガジンのタイトルと同じなのも気に入らなかったり.ならいっそ「みみずのたわごと」くらいの方が良いかも知れないとも思いつつも,ちょっとそれでは情けない(変わらないか?).ということで「いしがめのじだんだ」に落ち着きました. じだんだを踏んでみたところで飛べるわけでもない.今の私の気分にはぴったり...か. ▲
by nobu_san
| 2005-06-03 23:54
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