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2009年 06月 29日
もらえるだけありがたい論
組合の配布ビラによると,「交渉」で担当理事が「こんな時期にボーナスをもらえるだけありがたい」と話したとか.

確かに,この不況でボーナスが大幅に削減された企業の報道も多数みられる.それに比べれば,僅かな削減で済んでいる「凍結」は甘受せよということだろう.しかし,法人に移行した大学の教職員は,ボーナスの多寡そのものよりも「人勧準拠」のボーナス凍結には反対しなければいけない.

この国では,幼稚園,小学校から,およそ全ての公的教育機関では「政府の決めたことには黙って従う」ことを教えている.法人に移行させられ,人事院規則から労働法の枠組みに移された国立大学において,政府の圧力に労働法を無視して従う大学の決定に教職員が沈黙しているということは,例え法的に問題であっても政府の決めたことには黙って従う姿勢を示すことになる.もしも本当に政府の直接的な圧力は無く,大学が政府の意を汲んで自主的に「人勧準拠」をしているなら,なおさら良くない.

しかも「そうして浮かした余剰金は学内補正を組んで年度末までに使い切らなければ」になっている.経営上必要もないのにとりあえず目立たないように人勧に準拠しておこう,という事勿れ主義は,本来社会の批判者であるべき「大学」にとっては自殺行為ではないのか.

そういう意味では,組合の反対ビラが単に「給料問題」に終始していて,しかも「凍結の代償措置が無い」などとボケたことを書いているのには,ちょっと不満を感じる.


なぜ「代償措置」を強調するんだろうと疑問に思っていたのですが,さっき遅れて届いた「全大教」240号の一面にも記事がありますね.「人勧準拠」の枠組みそのものが誤っている(違う?)のに,それをさっさと受け入れて「代償措置」を勝ち取ったとするのはいかがなものか...
by nobu_san | 2009-06-29 00:08 | 大学問題
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