「組合が無いと困るという状況に追い込まれないと組合員は増えない」というご意見があります.「無いと困る」という状況がどの程度のものなのかというところで議論出来そうですが,現状は「困らない」ということでしょうか.まあそうなのかも知れません.ただ,これまで大学の組合が弱かった結果は,例えば以下のように,今でも簡単に観ることが出来ます.
国立大学法人の教職員の給与が,「文部科学省所管独立行政法人及び国立大学法人等の役員の報酬等及び職員の給与の水準(平成16年度)の公表について」ということで公開されています. どの大学のでも良いと思いますが,試しにPDFファイルをダウンロードして見てみて下さい.「組合員」としては,役員報酬にも興味がありますが,ここで見てほしいのは:
の部分です. うちの大学の場合,大学の事務・技術職員は同じレベルの行政職の国家公務員(これを100とする)と比べてみて,給与水準は86.6と,相当低くなっています.今年,人事院勧告でもしも一律5%給与の引き下げがあって,寒冷地手当の時同様,大学にもそのまま準用されたら,低いのがさらに低くなってしまいます.(教員は他の国家公務員の教員と比べてほぼ100です.これは当たり前でしょう.例えば他の研究職と比べてどうでしょうか?) こういうことは「組合」ではいわば常識になっていますが,もしかしたら,「組合」には関心の無い多くの教員の皆さんはご存知ない(興味も無い?)のではないでしょうか.まあ,私自身は「教員」なので,これが私自身にとっての「組合が無いと困る」理由かと言われるとちょっと弱りますが,職員の処遇が悪いことが,結局は教員の教育・研究環境を引き下げていることは「医学教育のひろば」でも指摘されているとおりと思います.
by nobu_san
| 2005-07-03 22:44
| 大学問題
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