11日,文科省が与党の教育基本法改正に関する検討会に同法改正の仮要綱案(未公表)を提示したと報じられた.各新聞報道は「愛国心」をめぐる表記を焦点として紹介し,「国を愛し」(自民)か「国を大切にし」(公明)の争いをまず第一に伝えている.それに対して民主党が「愛国心」に代わる新たな表現を検討するとしている.
しかし,問題は表現論ではあるまい.どう表記するかによらず,三党には「国」というものを権威として国民に重視させたいとの共通の要求があろう.「平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛」する国民を育てることから,「国」に服従する国民(愛国心=忠誠心)を育てる教育を目指す法に変えようという意識は変わらないように思える. 「愛国心」が,日本とは戦後処理で別の道を歩むドイツのワイツゼッカーが演説の中で引用したような Our country, right or wrong. When right, to be kept right. When wrong, to be put right. ( Carl Schurz, 1899. ) を意味するのなら良いが,皇国史観のようなものの台頭を許すようでは先が暗い.
by nobu_san
| 2005-05-13 00:06
| 憲法・平和
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