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2005年 11月 30日
人勧準拠は続く...
わが大学は,昨日の29日付けで人事院勧告に従って給与規程を改定し,今日教職員に通知しました.

過半数代表者の半数以上から「意見書」をもらえなかったことや,大学としてはめずらしく?「組合」のことにも触れていますね...書かれているように,この問題について組合は協議していません.正確には,協議方法の交渉というより,『法人化後初めての給与本体の改定(去年寒冷地「手当」はあったが)という非常に重大な問題なので短期間ではきちんと協議は出来ない』として,12月1日施行予定という期限の延期を求める交渉をしたものです.「お知らせ」の書き方は,ちょっとニュアンスが違うように思います.いずれにせよ,削減内容自体の交渉には入れなかったのは確かです...(ご興味があれば,詳細は組合のホームページを参照して下さい.)

以下,所属部局の庶務係から送られて来た通知文.


                    平成17年11月29日

北海道大学職員各位

                      理事・事務局長
                        遠 藤  啓

職員給与改定に伴う本学職員給与規程等の改正について(お知らせ)

 この度の職員給与の改定については、平成17年11月4日付けで職
員各位に改定理由とその骨子をお知らせし、併せて過半数代表者等への
説明や意見聴取等を経て、決定していきたい旨、お知らせしていたとこ
ろです。

 去る11月9日の午後1時から各事業所の過半数代表者に対して、同
日午後3時30分からは本学教職員組合に対して、本学職員給与規程
(案)等をお示しし、職員各位にお知らせした今回の給与改定について
の内容とその理由を説明いたしました。また、本学教職員組合とはその
後の11月22日及び28日に本件に関する団体交渉を行いました。
 過半数代表者からの意見聴取では、11事業所中4事業所から意見提
示をいただいており、7事業所からは意見提示はしない旨の表明が出さ
れております。

 教職員組合との交渉では、改正内容に入る前に協議の方法について交
渉したいが時間が、足りない協議の方法の議論がクリアにならないうち
に内容の協議に応じられないとして、今回の本学の給与改定には同意は
得られませんでした。

 しかし、今回の改定案は、先にお知らせしましたとおり、国立大学法
人が準用する独立行政法人通則法第63条第3項「法人の業務の実績を
考慮し、かつ、社会一般の情勢に適合したものとなるよう定めなければ
ならない」との規定の趣旨、法人移行時に国家公務員の給与支給水準を
ほぼ踏襲した本学にとって、人事院勧告は社会一般の情勢に適合させる
うえでも重要な判断材料であるとの考え方、「役職員の給与改定について
は、国家公務員の給与水準を十分考慮して適正な給与水準とするよう要
請する。」との閣議決定の趣旨、更には、公的部門全体の総人件費の削減
を求める公的セクターに対する厳しい環境などを踏まえるとともに、社
会的に説明できる範囲内で、職員の被る不利益にできるだけ配慮して提
案してきたものです。

 本学としましては、以上を総合的に勘案した結果、先にお知らせした
改正内容にて、この度の職員給与改定を行うことを決定いたしましたの
で、職員各位にお知らせするとともに、ご理解をお願いいたします。

 なお、改正規程案は、本学ホームページ(学内向け:就業規則等)に
掲載済みであり、過半数代表者からの意見は、後日、本学ホームページ
(同)に掲載予定としております。

 また、役員の給与改定については、俸給月額の減額改定のみとし、本
年12月期の期末手当の増額改定は行わないことにしております。


毎度くどいですが,このblogは「匿名」のつもりです...

帰宅したら,うちの家にも天井にアスベストが使用されているという通知が来ていました.飛散量は無く,問題無いとのことですが,まだ子どもも小さいので嫌ですねえ.今まで半ば人ごととしてニュースを見ていたのですが...
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by nobu_san | 2005-11-30 22:56 | 大学問題
2005年 11月 23日
人勧準拠の場合の給与総額試算
九工大職組が18年度以降に人勧を適用した場合の給与総額の「損失」の試算をしています.面白いのでアンカーをここに置きます.

うちの大学でも,組合は工夫をしながら争っているのですが,組合員以外は,ほとんど状況が知られていないように思います.組合の情宣能力の問題もありますが,大学が「人勧」の説明をしたりしましたから「そういうものか」と思っているのかも知れません.大学にとっても,教職員にこの程度の不利益を呑ませる方が,人勧準拠しないで「社会(文科省や総務省のこと?)」に説明するよりはよほど楽ちんのようですが.


今日から,3日間某学会に出席中.しかし,組合やらなんやらでここ数年にわたって時間を使っている間に,同年輩や私よりも若手が面白そうな仕事をしているのを観るとやはり焦りますねえ.「評価」の問題ではなく,自分自身の問題として...私のような凡庸な人間には権利闘争は実は不向きかも知れない...もういい加減功成り名を遂げた先生が代わってくれないかしらん...
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by nobu_san | 2005-11-23 22:54 | 大学問題
2005年 11月 21日
大学職員削減圧力と教員の仕事...に関する愚痴
先週末17,18日の両日の夜に「理学部学科探検」という企画があった.うちの学科の場合,1年生の希望者が研究室見学をするというものになっている.今年の学生の参加者は30名,こちらは学科長と学生委員(私)が関わった.事務職員の関与は無い.17日の最初に20分ほど学科の紹介を話した学科長には「わずか30人のために...」と言われたのだが,そういう意味では学生委員の私は準備のための日程調整から,学科内の各講座に受け入れ担当者を依頼したり,担当者になった学生に手順を連絡したり,果ては学生用のスリッパの手配まで,結構な時間を使っている.

そういえば,教職課程の授業科目の履修状況の確認も学生委員の仕事である.先日,ある科目の履修登録がされていなかった学生を呼び出して理由を確認した.以前も書いたように,これらのことは年交代の当番制で教員が当たる学生委員よりも,専任の事務系職員が仕切る方がよほど効率的ではないのだろうか.しかし,運営費交付金の削減等に対応するため,大学は今後5年間で939名の事務系職員を130名も削減する計画を持っている.教員にも「痛みに耐えよ」としており,専門の事務職員が学生委員を補助するようなことなど贅沢すぎて想像も出来ない.

削減されなかった残りの職員には「成果主義」の賃金体系の導入も計画されている.ゆっくりと個々の学生に時間を使って対応するなどという非効率的なことはもちろん論外であろう.

まあ,実際のところ,学生委員で「忙しがって」いられるのは,私にとって「仕事」をしない理由としては結構都合も良いのだが...評価圧力さえ無ければ...
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by nobu_san | 2005-11-21 00:15 | 大学問題
2005年 11月 19日
知識人特有の弱点
昨日のメールマガジン「Publicity」に,丸山眞男「『現実』主義の陥穽」(初出は1952年)『現代政治の思想と行動』p178−180,未来社,として以下が引用されている.満州事変以降,太平洋戦争へと進むことを阻止出来なかった知識人についての論考なのだが,今の大学人のありようとも重ねて読めてしまう.いや,あるいは,実はこれよりもさらに症状は一歩進んでいて,自己正当化する必要もないほど専門分野での競争以外には全く無関心なのかも知れない,とさえ思えるが...

これに関連して私はとくに知識人特有の弱点に言及しないわけに行きません。それは何かといえば、知識人の場合はなまじ理論をもっているだけに、しばしば自己の意図に副わない「現実」の進展に対しても、いつの間にかこれを合理化し正当化する理窟をこしらえあげて良心を満足させてしまうということです。

既成事実への屈服が【屈服として】意識されている間はまだいいのです。その限りで自分の立場と既成事実との間の【緊張関係】は存続しています。

ところが本来気の弱い知識人はやがてこの緊張に堪えきれずに、そのギャップを、【自分の側からの】歩み寄りによつて埋めて行こうとします。

そこにお手のものの思想や学問が動員されてくるのです。

しかも人間の果しない自己欺瞞の力によつて、この実質的な屈服はもはや決して屈服とは受け取られず、自分の本来の立場の「発展」と考えられることで、スムーズに昨日の自己と接続されるわけです。

竹山徹朗の「自由な言論」を発信するメールマガジン「Publicity」の登録は,
http://www.emaga.com/info/7777.html
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by nobu_san | 2005-11-19 00:58 | 気になること
2005年 11月 15日
税金の使い道としての大学:入学金問題から
共同通信が配信した記事では,来年の入学料の値上げの動きに対して,日本消費者連盟の水原博子事務局長は「引き上げは若い人の学ぶ機会を奪う。税金を払っている立場からすれば、国立大はもっと税金で賄われるべきだ」と話しているらしい.

国立大学の役員会(理事会)は,大学の「経営」に関与する者として,この種の議論をもっと国民とするべきではないのか.とにかく削減される一方の運営費交付金に,どうやって大学をやせ細らせて対応しようかということばかりを一所懸命検討していないで.

公務員でもないのに,今年の人勧に無批判に厳密に従ったわずか0.3%の給与の引き下げ案が各大学で提示されている.この引き下げを4月に遡及して実施出来ないなら利益も遡及しないとして,期末勤勉手当の引き上げを0.025月分(人勧は0.05月分増を勧告)とするなど,滑稽といっても良いくらいの「厳密」適用である.公務員に準じて大学教職員の給与を引き下げないと国民に理解されない,説明責任を果たせない,というような説明がされる.果たして「国民」がそんなことに本当に注目し,問題視しているのだろうか.「国民」は一般公務員や私立大学と比較した国立大学の教職員の給与水準の状況などたぶん一度も聞いたこともない.少なくとも私の周辺では,この「官」批判の強い今,なんでそんな役人的な対応しか出来ないのかという呆れた声しか聞かない.もっとも各大学の上層部の事務系職員はいまだに「文科省人事」(総長談)のようだから役人的であたりまえか...

やはり共同通信が報じているが,公務員型の独立行政法人のうち19法人の約3700人を2006年4月から非公務員にする「見直し案」について,総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は「非公務員化すれば給与は法人の理事長と職員の交渉で決めるため、人件費の削減など効率的な運営に役立つとしている。」としているそうだ.大学を非公務員型で法人化した時と比べれば随分正直なコメントをするもんだ...
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by nobu_san | 2005-11-15 02:07 | 大学問題
2005年 11月 08日
こんどは入学料か...
朝日新聞等が伝えたところによると,国は,今度は来年度国立大学の入学料の値上げを検討しているらしい.

授業料で起こったことが,また入学料で起こるのか.国大協総会で文科省の担当者が「非公式に財務省から値上げを求められている」と明らかにした,とのことだが,そこでの各大学の学長の態度はどういうものだったのだろうか.

私はすっかり忘れていましたが,意見広告の会のメールリストによると,5月12日の参院文教科学委員会で中山文科大臣(当時)は,

この国立大学の入学金につきましても、従来から私立大学の入学料の水準などの社会経済情勢の変化等を総合的に勘案して改定を行ってきたところでございまして、最近の私立大学の入学料の平均額は低下傾向にありまして、国立大学の入学料とほぼ同額になっているわけでございます。正にこのような状況から国立大学の入学料は平成十四年度以降据置きとなっているわけでございまして、平成十八年度入学者につきましても入学料標準額の改定を行わないこととしたところでございます。

と答弁していますね.

入学料は現在282,000円.すでに私立大学の平均より2,200円高いらしい.

結局,国立大学法人化とは,いったい何だったのか.
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by nobu_san | 2005-11-08 09:20 | 大学問題
2005年 11月 08日
今年の人事院勧告と大学
今日,我が大学が4日付けで全教職員へ配布した通知文書が届いた.大学のホームページにも掲載しているが,学外からは見られない.

折しも今日は,寒冷地手当の引き下げについての救済の第2回審問.大学側弁護士による組合証人への反対尋問が行われる.過半数代表者に説明し意見を求めるとはあるが,組合と協議するとも書いてない.大学は組合の主張を全く理解しないことをこの通知で全学に示した.まだ争っているところだから当然といえば当然かも知れないが,何も分かってないということか...


                平成17年11月4日

北海道大学職員各位

          理事・事務局長 遠 藤   啓

 平成17年度の職員給与の改正(案)について(お知らせ)

 去る10月28日に「一般職の職員の給与に関する法律」を改正する法律案等が成立いたしました。
 人事院勧告に基づく改正給与法は,労働基準法等が適用されている本学職員には直接適用されるものではありませんが,本学は法人移行時において,国家公務員の給与支給基準をほぼ踏襲して,給与規程を制定いたしました。
 また,国立大学法人法が準用する独立行政法人通則法の規定により,職員の給与及び退職手当の支給基準は「法人の業務の実績を考慮し,かつ,社会一般の情勢に適合したものとなるよう定められ,なければならない」こととなっており,人事院勧告は,今後本学の給与体系を社会一般の情勢に適応したものにしていくに当たっても,重要な判断材料であると考えています。
 以上のような考え方に基づき,平成17年度における本学職員給与については,次の骨子案の方向で検討を進めておりますので,お知らせします。
 なお,職員の年間給与支給額は,個々に受けている給与及び家族構成等により,増額になる方も減額になる方も出てきますが,職員各位のご理解とご協力をお願いします。
 おって,職員の給与改正については,規程改正案を示したうえで,今後,過半数代表者等への説明や意見聴取等を経て役員会で審議し,決定する予定としております。

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by nobu_san | 2005-11-08 00:55 | 大学問題
2005年 11月 02日
北京大学
北京大学に来ています.

後期が始まって,さらに科研費の申請と,この北京大学のワークショップでの講演の準備が重なって焦っていたので,blogを更新する余裕が無かったのですが,講演も無事に終わって一息.

北京大学は今年のTHESで東大を抜いて世界15位にランクされています(東大は昨年の12位から一挙に?16位に後退.北京大学は17位から15位に上昇).そう思ってみると,なんだか勢いを感じます(気のせいでしょうが).ワークショップで一緒になった北京大学出身の研究者と話していたら,彼は大学院を修了してアメリカに行ってから8年ぶりに帰って来たが,母校の変わり様に非常に驚いているということでした.

先日,出張の飛行機の中で確か日経だったかに,日本の大学と北京大学を比較して日本の大学の将来を悲観するコラムがあったように思いますが,日本の大学が「法人化」対応で疲弊していくのと比較してアジアの有力大学はどんどん伸びて来るのでしょうか.

今回のワークショップは,私の分野ではどちらかというとお金(研究費)になりにくい方法論よりのものでしたが,中国人の若い学生も大勢参加していて,こういうのが将来の差になっていくのかも知れないとちょっと感じました.そういえば,私のような「頭」の要らない実験方法屋でなく,ソフト屋では中国人が沢山活躍しています.(余談ですが,応用結果を沢山交えた私の講演を聞いた友人(コーネルに居るけど中国人)に「お前も考えを変えたのか」と評されてしまいました...そんなことを言われても...)

そういえば,我が大学も157位に入っていますね.昨年はランク外だったのに...
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by nobu_san | 2005-11-02 08:43 | 大学問題