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2004年 11月 22日
寒冷地手当 - 条件闘争的対応と原理原則的対応
先週末,組合の関係する学習会に出席した際の質疑の中で,ある出席者が北大で削減する寒冷地手当相当額の1億2千万円の使途について,時間外労働手当等労働条件改善に使えというふうに大学と交渉すべきだというような趣旨の発言をされた.

労務担当理事は,期末になってみないと何に使ったかは分からない,と言っているのだから,この人の主張からすれば問題外だろうが,寒冷地手当の削減の交渉に時間外労働等別の問題を条件闘争的に持って来るのはどうだろうか.

問題は,就業規則の不利益変更であり,判例法理によれば,それは本来認められておらず,変更には高度の合理性に基づいた合理性が要求される.4月に法人化されたばかりで,未だ労使関係を構築中である我々にとっては,手当削減という変更の合理性,手続きの正当性をまずは問題にすべきではないか.学習会の後の立ち話で,組合はまだそういう段階でやっていると話したら,そんな原理原則的なことを言っていて大丈夫かと批判(心配?)されてしまった.もっとも,肝心の過半数代表者ですら,組合が原則論でごにょごにょやっている段階でさっさと「反対」の意見書を提出してしまうのだから,人それぞれ理解の程度や問題の捉え方はいろいろである.なかなかムヅカしい.

非公務員となったのは我々の希望したことではない.無理矢理切り捨てられ,非公務員とされたのにもかかわらず,労働者も使用者も労働条件法定主義の公務員時代の気分が抜けず,人事院勧告が出たらそれについては「仕方が無い」と思ってしまう.一番の問題はそこにあろう.仕組みが変わっ(てしまっ)たのだということは,もう少し双方がきちんと認識すべきだろう.原資が税金であることからもちろん「無駄使い」は避けるべきだが,道理の無いことにはきちんと対応するべきことには違いない.何度も同じことばかり書いているが,法律の実務家を要請する法科大学院を要するような「大学」で違法,無法がまかりとおるのは非常に情けない.
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by nobu_san | 2004-11-22 08:25 | 大学問題
2004年 11月 13日
北大ポプラ並木再生
台風18号による風倒木となった北大ポプラ並木の再生支援募金の募集期間が延長された.

これを受けて理学研究科長から理学研究科全教員に配信されたメールによると,現在のところ「学内の寄付者の割合は3600名の10%程度にすぎず,学外の人に肩身のせまい思いをしそうだ」ということらしい.同メールでは「わざわざ郵便局まで行かなくても会計係に現金を渡せば良くしたので,寄付をする気はあるがまだという人は是非」とお願いされている.さらにこれを受けて,うちの研究室では,教授が学生を含む全構成員に寄付のお願いを配信している.

実は,私は寄付をしていない.大学のそして研究室の「肩身を狭く」している一人である.もしかしたら学生には,「大学のやることにはなんでも反対なんでしょ」と言われるかも知れないが,単純な私には,多数の風倒木が出た中で,なぜあのポプラ並木だけを寄付を募ってまで再生するのかということが納得出来ない.「歴史的資産」だそうだが,”立ち入り禁止”になっているポプラ並木を再生するよりも,今回倒れず残ったポプラを含めて危険なものは伐採しまった方が良いのでは? 大学は,中央食堂前のポプラの伐採時に老ポプラの危険性を十分評価したのではなかったのか.ポプラの寿命は60〜70年とか.寿命が来ているポプラ並木を「北大の叡智を結集」して「再生」するより,125周年記念事業で植樹した「平成ポプラ並木」の方に投資した方が,私は良いように思う.(後日注:北大生協の機関紙「きぼうの虹」第295号に,森林ステーションの松田先生が「樹木は生き物であって遺跡や文化遺産ではない。在る木を無理矢理に残すのではなく、手入れをし、適切に世代交代を図ることが必要である。」と書かれている.)


もしかしたら,この「再生」で危険な老木の伐採をしてしまって,若木ばかりにして,このポプラ並木を通行可能にするのかも知れない.もしもそういう計画だったなら私の理解不足です.叱られる前にあらかじめ謝っておきます.すみません.

ちなみに125周年の際も,北大に赴任したばかりであったことと,遠友学舎という建物の建設に納得出来なかったので,寄付していません.(なにも公表しなくても良いのでしょうが...)

google等で検索すると,この再生支援募金はかなり多くのblog等で紹介されていて,結構好評のようです.やってみたい気もするけどちょっと怖いので,それらにトラックバックpingを送るのはやめておきます...しかし,「学外の人に肩身のせまい」というのが,「大学」のお願いの文章に自然に出てくるのもちょっと(かなり)怖い気がします.「茶色」の足音が聞こえる...
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by nobu_san | 2004-11-13 12:38 | 大学問題
2004年 11月 11日
党首討論から
党首討論で非戦闘地域の定義を訊かれて「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域」だという小泉首相にはさすがに呆れる.あまりに馬鹿馬鹿しくて,怒る気もしない.なんで国会でそういう議論をする首相を罷免出来ないんだろう.国会侮辱罪とか.いや主権者国民愚弄罪かな.

国(しかも自分達)が決めたことを,首相が気にする必要も無い国で,一方では国が決めたことだからというだけの理由で,卒業式でただ黙って座っていた教員が処分されたりする.随分妙な国だ.

この国では,首相だとか役員だとか,何らかの権力側にいる者には道理とか合理性とかいうものは不要なのだろう.なんたって国の最高権力者である首相が手本を示しているし,それで特に何か問題になったりするわけでもない.憲法だとか法律だとかは,まず気にする必要もない.

国の首相があれで「良い」のだから,法人化された国立大学の団体交渉で,使用者側が労使関係のまともな議論を避けても,至極当然なのかも知れない.誰に何と言われようとも,とにかく権力側に居るものは「自分はどう思う」のかを言えば良いのだ.別に合理的かどうかなんていうのは気にする必要もない.もしも論理的に問題があっても,「あんたがそう思うのは勝手だが,それは意見の相違だ」と言ってしまえば,それ以上は別に議論する必要もないのだ.

あれ? 首相が手本を示しているんだから,別に権力側に居ない我々もそれでいいのかな.なあんだ,もっと早く気がつけば良かった.「僕はそうは思わない」で済ませたかったことはいくらでもあったのに...

しかし,こんな恥ずかしいことを「そのまま」国外に報道するのはさすがに気が退けるのか,NHK Radio Japan の英語ニュースは: "He can not say for sure at this point, whether there will be any fight in the area where the Ground Troops are deployed. But he said the area remains a non-combat zone."のような感じで報道していた.NHKさん,これって虚偽報道じゃないの?
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by nobu_san | 2004-11-11 00:15 | 気になること
2004年 11月 05日
あたらしい憲法のはなし
一昨日の憲法の話題で思い出したが,私の別のホームページの上の方に「あたらしい憲法のはなし」へのアンカーを置いておいたら,それをみつけた私の友人の一人が「あたらしい」に誤解して「とてもいいものが出来たね」とメールして来たことがある.

1947年から1952年の短い期間しか使われてないが,もしも近い将来憲法改正の国民投票をすることになったら,その前には是非一度目を通すべき.(するわけないが,全国民に無償配布すべき.)

特に面白いのは,前文が重視されていて,「前文に記された考え方と,ちがうような(憲法の)かえかたをしてはならないということです」と解説されている.「前文にある考え方と,ちがったふうに考えてはならない」とも書かれているけど,この前文を引用してイラク派兵を正当化する首相が居るぐらいだから「考え方」というのは道理の通らない世界では随分怪しい?

そういえば,憲法96条に「憲法改正について前項の承認を経たときは,天皇は,国民の名で,この憲法と一体を成すものとして,直ちにこれを公布する.」とありますが,「この憲法」と「一体を成す」ような変更しか憲法は想定していないということでしょうか.9条「改正」もそうですが,現在予想されているような国民の義務を書き連ねる憲法「改正」は現憲法と「一体を成す」形で公布出来るものなのでしょうか? (うちの学長に訊いてみたい.団交に出て来てくれれば...)
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by nobu_san | 2004-11-05 21:46 | 気になること
2004年 11月 03日
ブッシュが勝つ国と小泉が負けない国
「国外」から種々の報道を通じてアメリカを見ていると,ケリー上院議員の方がましなように見え,米国民がなぜそういう選択をしないのか不思議に思えるのだが,それでもブッシュが勝ちそうだ.オハイオ州の混乱等,前回同様,アメリカが未だに選挙もまともに出来ない国であるのには呆れるが,それよりも両候補が「ほぼ互角」であったことが不思議だ.イラク問題とかより,宗教のこと,道徳のことが米国民にとってより重要なだ問題というのも我々外国人には分かりにくい.

しかし,ひるがえって外国から日本を見れば,これと同じように「なぜ小泉が負けないか」は非常に不思議に思われているのかも知れない.日本も憲法の議論を道徳や「宗教」で進めている(利用している)ようだから同じようなものか.
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by nobu_san | 2004-11-03 23:26 | 気になること