2009年 08月 11日
学生の授業評価コメント
耐震工事のための引越しがあるので居室の片付けをしていたら,前任校で最後にやった授業の「学生評価結果」が出て来ました.わざわざ郵送してくれていたものです.実は最近は授業のスライド作成に凝っているのですが,この当時はまだ「普通」のスライドでやっていました.40人弱の授業でしたが,学生の背景のスペクトルは広く,どのあたりをターゲットに授業するかを毎年悩んでいた授業でした.学生の側のコメントにもそれが出ているようです. 途中で2度版が変りましたが同じ教科書で7年やったかと思います.板書からパワーポイントに移行したのは4年目からで,移行した最初の年は,かなりはりきって,教科書の内容に最新の論文からの情報も加えてスライドを作って「その後」の話をしたら「教科書に書いてない」と非常に不評でした.次の年からは教科書からはずれないようにし,毎年「速すぎる」と書かれていたので年々使用するスライドを削除してゆっくり説明するようにしていって,この年が最後です.スライドの枚数では,初年度の2/3くらいになっているかと思います.でもまだ「速かった」んですねえ.「教科書」が指定されている授業だったので,次回どこをやるかははっきりしていたのですが,予習を前提に授業を計画してはダメだということが良く分ります.

田中 一著「さよなら古い講義」を参考にして,毎回の課題に「授業の内容の質問」を書かそうとしていた試みは,この年は学生に不評だったようです.この年から全授業にTAが付いたのでこの年はTAが回答を作成したこともあり,趣旨が徹底しなかったのかも知れません.以下が学生の自由記述のコメントです.


  • パワーポイントの授業の中でも特に分りにくいと感じた.もっと分りやすいストーリーのある授業になる内容だと思う.課題を解くにも,授業の話では分りにくかった.課題の"授業についての質問を書け"はやめて欲しいと強く思う.(「何も疑問が浮ばない」という学生を「質問書」に向かせるところまでは徹底できていなかったようです.)
  • スライドの内容は分りやすく,予習・復習はしやすいと思う.只,説明の仕方がわかりずらいことが多々あった.後,レポートの解答の説明が少しあっさりしすぎな感もあった.
  • より細かな内容は黒板に書いてくれれば,もっと分りやすかったと思います.パワーポイントはとても見やすかったので良いと思います.
  • (質問書で)授業中に習った内容の「質問」は禁止されていましたが,一度聞いても理解しきらない点もあるので,習った部分の質問も認めて欲しかったです.(これは,「私が話したことをそのままもう一度訊くな」という意味が分ってもらえていなかったようです.)
  • 早口で聞き取りづらかった.授業の内容はとても面白くて興味深い.
  • 毎週出されるレポートの最後の問題(授業内容についての「質問」を書け)が生徒・TA共に評判が悪いにもかかわらず,続けたのは正直良いとは思えなかった.(「生徒」ではないと思いますが,学生は「何を書いていいか分らない」.前年までは私が全部に回答して返却していたのですが,この年から全授業にTAが付いたのです.「回答をきちんとするのが大変」と,TAにも不評でした.)
  • "コレは知っていて当然だ"という感じの授業で,ついていくことは困難でした.(そんなに教科書から脱線はしなかったと思うのですが,教科書が指定されている授業なので,教科書の記述のそのままの説明というよりは,スライドを見せながら背景や意味を話すようにしていたのが失敗のようです.)
  • この授業は一番難しいと思っています.(こちらとしては,「教科書」が指定されている授業でしたので「少しは予習しろ」と思っていたのも事実ですし,授業中に明らかに高校の範囲の質問をしてみて,「これは無理か」と思っていながら,そのまま進めてしまった部分も確かにあります.)


最近,今の大学で修士一年の授業の期末試験の採点をしたのですが,「専門」というよりは「常識」のレベルで"コレは知っていて当然だ"という意味では,かなりショックが大きかったです.来年も同じテーマで授業するならどうしたものか悩んでいます.

「知っている」かどうかもそうですが,記述式の答案に論理的な作文が出来ていない学生も多いのですが,それは修士過程で今更「リメディアル教育」すべき内容ではないですよねえ...

引越し荷造りからの逃避でした...
[PR]
by nobu_san | 2009-08-11 15:21 | 大学問題
<< 「立場」とブログ 喫煙イエローカード >>