2009年 07月 29日
グローバル30の「戦略」
出張の往復の飛行機の中で,中公文庫版の「失敗の本質」を読んでいました.

防衛大学校の教員らしく,前大戦を「大東亜戦争」と呼ぶ等,気に入らないところもありますが,内容は面白いです.

で,例によって,何でも「国立大学」の問題に結び付けるわけですが,例えば,日本軍の場合は「オペレーション(戦術・戦法)が戦略化している」とかの「失敗」原因の指摘は,短絡頭の私はすぐさま大学の状況の実態と同じだなと思ってしまう訳です.

例えばグローバル30など,「戦術」が「戦略」になってしまっている典型のように思われます.また,大戦の失敗同様,大本営(文科省)が,前線(大学)の戦術の詳細に干渉しているようなものではないでしょうか.「兵站」を無視して前線に実現不可能な作戦を強いるとか,意思決定に「情報」を重視せず,その場の「空気」に寄ってしまう体質とか,旧日本軍のかかえていた問題と大学の問題が完全に重なってしまうのでした...

JSPSのホームページに書かれているような「我が国の高等教育の国際競争力の強化及び留学生等に魅力的な水準の教育等を提供する」という建前が,どこでどういう議論を経て「英語教育」にすり変ってしまったのか,全く理解不能です.

旧日本軍同様の「情報」軽視という点では,いったい誰が日本の大学での「英語教育」を望んでいるのでしょう.真摯な情報分析がされたのか非常に疑問です.そもそも日本の戦略が不明です.もしも日本が将来のアジア圏での中核となることを目指すのなら,使用する言語は英語ではなく中国語なのかも知れません.またこうして呼び込む留学生の,将来のアジア地区での活躍を期待し,それによって日本の地位を保とうという「戦略」なのであれば,一般学生からは隔離された「英語コース」に外国人留学生を迎えて教育する意味が理解出来ません.日本の大学でわざわざ苦労してまで外国人留学生を日本人学生からは「隔離」教育して,将来のアジア地区を担う日本人抜きの優秀な留学生コミュニティ・ネットワークの形成を助けようということでしょうか.私には自ら日本の地盤沈下を計画しているようなものに思えます...
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by nobu_san | 2009-07-29 00:04 | 大学問題
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