2009年 04月 22日
いつかと同じ対処方法
今日の所属学部の教授会で「留学生30万人計画」の状況説明があった.うちの大学で受け入れる留学生の目標数に論理的な根拠は全くなく,説明を聞いた私の理解では文科省というよりも,やはり財務当局との力関係の議論だったように思う.あまりに馬鹿馬鹿しくてちゃんとメモを取らなかったのだが,何年後かの受け入れ数の最低目標が,大学の規模とかには無関係に現在東大が受け入れている数だとか.「現状を越えない目標はあり得ない」とか,数値にしか拠ることの出来ない馬鹿な役人の論理でしかない.

担当副総長の説明は,簡単にまとめてしまうと,「我が大学で,数字だけの辻褄合わせのようなことをやるのではなく,ちゃんとした学生を育てるということを考えると,受け入れ留学生の数値目標の達成は到底無理.だが,やるしかない」というものだったと思われる.

この,みんながこんな計画は問題だと思いつつ,それでもなんとか対応するにはどうすれば良いかを議論している様子は,数年前に法人化を進めていた当時と全く同じだ.なぜそうしなければいけないのか,本当にやるべきことは何なのか,といった議論は飛び越えてしまい,設定された無理難題にどうやって取り組むかの方法論の議論になっている.ある学会の評議員会で法人化反対の決議声明をお願いした時,「法人化に向けて自分は大学では責任ある立場で法人化の対応を一所懸命やっている.そういう自分が居る評議員会でこういう声明をどうこうするようなことはあり得ない」と,ある先生にえらい剣幕で叱られたことを思い出した.その先生も既に定年で大学を去ってしまった.

教育機関であるはずの大学が,どういう人間を育てたい,そしてどういう社会にしたいとかではなく,対応しないと干されるとかいうネガティブな議論で大量の留学生を受け入れる.今日の説明では留学生はただの「数字」だったが,実際には一人一人が人間である.お荷物だが仕方無く受け入れられ,無理矢理なんとかしたシステムで教育されて,いったいどういうふうに育つのか.なぜ,全国立大学法人で一致団結して無謀な計画に「反対」しないのだろうか.財務当局も全ての国立大学を一斉に干してしまうなんてことが可能とは思えないのだが.

教授会ではこのあとの知財の輸出規制の説明で,留学生を装ったスパイの話が出て来た.偶然だろうが面白い.
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by nobu_san | 2009-04-22 23:31 | 大学問題
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