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2005年 04月 26日
気になる「安全」 大学病院の場合は?
悲惨な事故が起こった.
飛行機といい,鉄道といい,改革病の国の安全がどうなっていくのか不安になる.

もっと身近では,国立大学病院の状況も不安だ.看護師の超過勤務(残業)の不払いを大学に追求しても,結局は「金が無い」.「払われていない実態があるなら,時間管理者を指導すると『言わざるを得ない』」という回答が,おそらくは「ちゃんと払いますよ」を意味しない悲しさ.20日の衆院文部科学委員会で石井議員はうちの大学名を上げてパート看護師の残業代が支払われていない声を伝えて質問している.それが「実態」ではないのか.国,文科省,大学は,公務員時代に永々と不払いであったものを,単に制度上非公務員になったからと言って,なんで急にきちんと支払わなければいけないのか,何も「実態」は変わってないのに,というような意識なのかもしれない.

疲れた現場の看護師の声を聞けば,医療事故が起こらない方が不思議だ.看護師だけでなく,聞こえて来る医師の実態もひどい.高度先進医療を国民に供給するはずの国立大学病院で人為的ミス続出,なんてことにならなければ良いが.

しかし,「金が無い」.
病院は毎年2%の経営改善係数が課せられている.計算では,うちの病院は今後5年間で20人の人員削減をしないとやっていけないらしい.医療素人の私には,結局医療は「人」ではないのかと思われ,医療従事者の慢性的な人手不足を放置した上で「経営改善」係数など持ち出す「国」の意識が知れない.無駄を放置しろというのではない,問題をきちんと切り分けて,手当すべきところまでケチらなければやっていけない状況にはするなと言いたいだけである.間違っているだろうか.国も国なら,看護師の不払い残業(なぜか「サービス」残業ともいう)を訴えれば「(超勤をきちんと支払って)2,3年で病院が潰れてしまって良いのか.職員ももっと経営感覚を」と平気で恫喝する病院幹部も理解出来ない.

大学経営者には,「雇われ経営者」の甘えがあるのでは無いのか.係数好きの国に「これだけのお金でやりなさい」と言われ,その中でのやりくりに腐心してしまっているのではないか.経営者として被雇用者への責任を負っているという自覚が全然感じられないが,私に「目」や「耳」が無いだけか.被雇用者の悲惨な実情を訴えて制度を変えさせることまで強く主張する声は「経営者」からはとんと聞こえて来ない.極端な話,国に戦闘機の一機,戦車の一台でも処分させて,職員の残業代くらい稼いで来たらどうだ.法人化で変わった,とさんざん自画自賛しているが,結局意識は上意下逹の「公務員」ということか.

そういえば,うちの労務担当理事が「異動」するらしい.さんざん平成19年以降の教職員の「新しい人事制度」なんてことを話していたが,もう居なくなってしまうのか...
by nobu_san | 2005-04-26 18:22 | 大学問題
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