2005年 02月 21日
国立大学の経費と気になる報道の論調
授業料問題で書くのを忘れていたけど,しばらく前の岩手日報に「岩手大法人化で納税義務 負担ため息」という記事があった.

法人化に伴い,固定資産税の納税義務や教職員の給与振込手数料負担が生じて,法人化前と比較して約1900万円の経費負担増になったというものだ.法人化による経費負担増で大学は苦しい,という報道はいいのだが問題はそのニュースの中で「いずれも民間なら当然負担している支出だけに,一層の意識改革と経営努力が求められる.」とコメントしているところだ.

そもそもこれらの「法人化」という制度変更に伴う当然経費については,国立大学を法人化する際にきちんと負担する責任が国にあったはずだ.これらの経費については,一方的に法人化されてしまった個々の大学に勝手に自分らでなんとかしろというのは筋が違う.

何度も書くが,教職員に不払い残業や裁量労働制でただ働きをさせないと経営を維持出来ない状態で無責任に国から切り離し,さらに制度変更に伴う支出増も個々の大学の裁量でなんとかせよとは,衆参両院のどこでも議論されていない.

例えば平成15年5月16日の衆院文部科学委員会での玉井政府参考人(文部科学省大臣官房総括審議官)の答弁は,

 それから、その法人化後にもいろいろな経費がかかるのではないかということでございます。御指摘のとおり、各大学共通に新たに必要になるものがございます。具体的には、例えば、事業主として各大学に加入が義務づけられる労災保険や雇用保険にかかわります事業主負担分、あるいは、法定監査というものがきちんと入りますので、法定監査人の監査に要する費用が考えられるわけでございますが、これらの経費につきましては、今後速やかに試算を行い、運営費交付金の算定に確実に反映させてまいりたいと考えております。

だったのである.

いちいち記憶していないが,他にも同様な論調の報道が結構あったように思う.報道する者のコメントないし批判の方向が間違っている.もっとも,激しく文句を言わないで対応しようとする大学の方がもっと間違っていると思うが.
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by nobu_san | 2005-02-21 22:09 | 大学問題
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